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「一投に込めた想い」北海道車いすカーリング選手権大会

 
3月10~12日、札幌市のどうぎんカーリングスタジアムにて第4回、北海道新聞社杯北海道車いすカーリング選手権大会が開催された。
参加チームは「チーム戸田(札幌)」「チーム札幌(札幌)」「チーム妹背牛(もせうし)(妹背牛)」「まつもと薬局チェアカーリング(帯広)」「チーム北見(北見)」の道内5チーム。10日、11日に予選リーグ、12日は上位3チームによる決勝トーナメントが行われた。
※()内は所属カーリング協会。
車椅子カーリングは、日常的に車いすを必要とする者の男女混成チームで競技を行い、健常のカーリングと違い、ブラシは使わずにスイーピングが無く、キューと呼ばれる2メートル程のステッキでストーンを押し出す。そのため、投球時の微調整が重要となる、非常に繊細な競技である。
*スイーピング(ブラシをかける動作のこと)

 この大会から決勝戦のレポートをお届けする。
勝戦は大会3連覇中の「チーム北見」と初優勝を狙う「チーム妹背牛」。「チーム北見」が1点をリードして迎えた第2エンド、「チーム妹背牛」が一挙5点の猛攻でリードを掴む。両チームのスキッパーが盤面を読み、的確に指示を送る。
第3エンドでは「チーム北見」が1点を返すが、第4エンドでは「チーム妹背牛」が2点を取り、リードを広げた。
続く第5、第6エンドでも「チーム妹背牛」が着実に点を取り、2-9で「チーム妹背牛」が初優勝を手にした。
試合中は会場全体が静寂に包まれ、緊張した空間になっていたが、ナイスショットが決まると、観客席からは拍手が巻き起こった。
 次回大会は5月26~28日に日本車いすカーリング選手権大会の北海道予選が行われる予定だ。道内チームのレベルは高く、日本車いすカーリング選手権大会では表彰台の独占も期待できるとのこと。
大会結果は以下の通り。
ペンネーム キノン)

【大会結果】
優勝  チーム妹背牛(もせうし)
準優勝 チーム北見
第3位 まつもと薬局チェアカーリング

「ユニバーサルデザインヨット×自然」広島信用金庫杯第9回ひろしまピースカップ(セーリング)

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2016年9月3日(土)、山々に囲まれた広島県広島市広島観音マリーナにて第9回ひろしまピースカップが開催され、全国から様々な部位に障がいがある約70名のセーラーが集結した。

本大会では、“Hansa2.3”、“Hansa303”という種類の障がい者でも乗船することが可能なユニバーサルデザインのヨットを使用し、それぞれダブルスとシングルスのレース競技が行われた。その他にも“Liberty”、“Skud18”というユニバーサルデザインのヨットがある。
今大会では使用されなかった“Skud18”はパラリンピックでも使用されるもので、日本国内に3艇しかなく、そのうちの2艇が広島にあるのだから、ヨット競技に対する広島の熱がうかがえる。

重度障がい者でもヨットを楽しむための重要なポイントの1つである、桟橋から船への移乗を近くで見るという貴重な機会をいただくことができた。
桟橋には専用の移乗器具が設置されており、体の大きな方でもあまり負担なくヨットに移ることができる。ヨットの船内にも選手個人に合わせた椅子を用意してあり、障がいによっては、パートナーと役割分担をしてヨットを操作していた。
体に負担がかからないことが競技を楽しめること、そして続けられることの秘訣だと感じた。

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本大会はすべて手動のヨットであったが、海外にはチンコントロール(顎で帆を操作)が可能なように設計してあったり、スティックが電動化していたりと様々な工夫を凝らし、様々部位に障がいがある方にも楽しめるようなヨットが開発されているようだ。

今大会で使用した“Hansa2.3”“Hansa303”は、舵をきった方向に回っていくこと、ヨットの中心には必ず転覆防止の重りがついていること、椅子を深く設計しているなど、だれでも楽しめる工夫が凝らしてあった。

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競技の開始時に驚いたことがある。それは、その日の天候や風次第で全員がレース開始を待つことであった。
記者もスポーツを行っており、自分のタイミングもしくは開催者に決められた時間で競技が行われることが当たり前だと思っていた。しかし、今回は最長で約1時間半も海上に待機している時間があり、自然を相手にすることの難しさ、選手の精神力の強さも問われていると感じた。

自然を相手にする競技であるため、障がいによるハンデが大きく出過ぎないこともこの競技の魅力であると感じた。風を感じ、風を帆に受けてヨットを動かす。競技を終えて陸に帰ってきた選手達は皆『楽しかった』と感想を述べた。

2018年には世界大会が広島で開催されることが決定しており、世界から約20カ国の参加が見込まれている。残念ながら、2020年の東京パラリンピックではヨット競技が外れてしまったが、2024年での競技復活に向け、すでに広島は始動している。今回で9回目の開催となったこの大会は今後も続いていき、さらに大きな規模の大会になっていくだろう。

マリンスポーツに触れたことがない方向けの体験会なども盛んに開催されており、また、大会のボランティアスタッフの募集も随時行っている。
広島にお立ち寄りの際には、ぜひヨットに思いを馳せてみてはいかがだろうか…

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※ヨットの種類について
Hansa(ハンザ)2.3・・・20kgのセンターボードがつき、ジョイスティックで舵を取り安定した帆走ができる。障害を持つ人・幼い子供から高齢者にまで、安定したセーリングができる。
Hansa(ハンザ)303・・・ハンザを基に、より真剣にセーリングしたい人たちのために開発されたヨット。マストも高く、より重いバラストジブも加えられた。Hansa 2.3と同じ設計で、非常に安全でセーリングも簡単。
Liberty・・・能力に関わらずとても操縦しやすい最先端のハンザ。極端に傾いて舵が進みたい方向に向かっている間も、コーミングと両サイドのデッキどちらも浸水することはない。
Skud18・・・ 小型モーターボートの補助装置を装備し、左右対称ではないリグ装置を固定するのに高い性能を持つヨットで、パラリンピックの競技に使用されている。障がいを持つ人も持たない人も、平等に競技することが特に歓迎されている。

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広島県セーリング連盟

その他のセーリングの記事はこちら

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「アスリートの原石を見つける」東京都パラリンピック選手発掘プログラム

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2016年8月21日(日)、東京都北区の東京都障害者総合スポーツセンター及び都立王子特別支援学校にて、東京都パラリンピック選手発掘プログラムが開催された。
東京にゆかりのある選手が1人でも多く2020年東京パラリンピックに出場できるよう、チャレンジド・アスリートを発掘するための企画である。
当日は約180名が参加し、競技のブースに訪れて現役のアスリートや競技団体のスタッフと共に競技を体験し、細かなアドバイスを受けたり競技活動に関する質問や練習内容を確認した。

○実施競技 (順不同)
アーチェリー/陸上競技/バドミントン/ボッチャ/ゴールボール/ボート/射撃/シッティングバレーボール/水泳/卓球/テコンドー/トライアスロン車椅子バスケットボール/車椅子フェンシング/車いすテニス

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テコンドーの体験をした20代前半の女性は、「テコンドーは初めて見ました。足の使い方が難しかったけど、(現役のアスリートが)丁寧に教えてくれたので楽しかった。」と語った。

東京パラリンピックから正式種目となったテコンドーは、急ピッチで選手の発掘を進めているという。
一般社団法人全日本テコンドー協会の牧野さんは、「テコンドーは上肢欠損の障がいで、足の運動に問題が無ければテコンドーが出来る。見た目は格闘技だが、きちんと相手を尊重する競技であるので、武道が好き、ファイティングスピリットに魅力を感じる人に是非興味を持ってもらえたら。」と競技の魅力を語った。

テコンドー協会のように、2020年東京パラリンピックの選手発掘を今後の課題として挙げている競技団体が多い中、障がいがある若者はチャレンジド・スポーツに触れる機会が少ない。
障がいのある10代を対象としたある調査では、約半数が『スポーツに関心がない』という結果が出ている。
現に開催中のリオデジャネイロパラリンピックは、オリンピックと比べるとTV放映や報道が非常に少ない。障がいのある人がチャレンジド・スポーツを知る機会の創出は、2020年東京パラリンピックを盛り上げる重要な課題なのである。

本企画は、次回11月13日(日)に開催される。
世界と戦うチャレンジド・アスリートを目指して、是非参加頂きたい。

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第30回全国ろうあ者テニス選手権大会2日目

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2016年8月13日(土)~14日(日)、広島県広島市の広域公園テニスコートにて第30回全国ろうあ者テニス選手権大会が開催された。
前回1日目の模様をお伝えしたが、今回は2日目14日(日)の大会の模様をお伝えする。

大会2日目は前日の結果に基づき、男女共に順位が確定するトーナメント方式で行われた。
今回注目した選手は、現役男子高校生の今井悠翔選手(滋賀県)。大会1日目は2戦ともにストレート勝ち。ミスの少ないサービスと力強いフォアハンドストロークで危なげなく決勝戦へと駒を進めた。

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大会2日目、決勝戦の相手はデフリンピック4回出場経験を持つ松下哲也選手(大阪府)。
経験では遥かに勝る相手にどう対抗するのか。今井選手に話を聞いた。
「(松下選手の前日のプレーを見て)サービスにミスがないので、ゲームのキープ合戦になりそう。少ないチャンスでブレークをしたい。」
その狙い通り、1ゲーム目はブレークを奪取。ゲームカウント4-3と重要なゲームでは、松下選手の強烈なサービスで押されながらも、相手のミスを誘う緩急を使い分けたショットで再びブレーク。6-4で第1セットをもぎ取る。

しかし今井選手が主導権を握ったまま、勝てる相手ではなかった。
第2セットでは松下選手のサービスが復調。試合前の今井選手の予想通り、お互いにブレークを許さないキープ合戦となった。長いラリーが続く苦しい展開の中でも、足を使い粘り強くチャンスを待った。ゲームカウント4-4、今井選手がペースを掴んできた所で突然のスコール。試合を一時中断し、インドアのテニスコートへ移動して試合を再開した。

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今井選手は、「第2セットは、自分のミスが続いても頭をリセットしたり、悪いイメージを残さないようにして集中力は切らさずにいた。でも雨で中断した時は、スタミナが無くなったと思ったけど、最後だから力を振り絞った。」と振り返った。
両者ともに体力が限界に近づく中、最後まで熱戦を繰り広げ、ゲームカウント6-4で今井選手が本大会初優勝を飾った。

今井選手は決勝戦の感想と、今後の目標について、「納得のいかない内容も少しあったが、大事なポイントは取れていたので結果オーライだと思う。来年の連覇を目指し、日々の練習に励んで、健聴者の試合でもいい成績を残したい。」と語った。

子どものころから、気持ちを切り替えることを何度も教わってきたという今井選手。
セルフコントロールは、苦しい戦況を幾多も乗り越えてきたトップアスリートの重要な要素だ。それを実践する今井選手は『心技体』を磨くトップアスリートの原石と言える。
特に若い世代は『心技体』を耳にすることが少なくなったかもしれないが、技だけではなくセルフコントロールも意識しながらトップアスリートを目指してほしい。

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■大会結果
男子優勝 今井悠翔選手
女子優勝 菰方里菜選手

日本ろう者テニス協会

その他のろう者テニスの記事はこちら

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「王者の貫禄」第54回近畿身体障害者野球西近畿大会

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2016年9月4日(日)、兵庫県明石市は台風の接近に伴い雨予報だったが、当日は快晴。
JR明石駅を降りると、国の重要文化財である明石城が目に入る。1619(元和5)年に小笠原忠真(おがさわらただざね)によって作られた明石城は、太陽の光を反射して白球のように白く輝いていた。

明石城にほど近い明石トーカロ球場にて、第54回近畿身体障害者野球西近畿大会が開催された。
本大会は、全日本身体障害者野球選手権大会の地区代表決定戦も兼ねている。
当サイト「チャレアス」では関東甲信越大会をレポートしているので、併せてご覧頂きたい。関東甲信越大会の記事はコチラ

 

○出場チーム
播磨ヤンガース
神戸コスモス (全日本大会優勝チーム)
兵庫のじぎく
龍野アルカディア

注目は全日本大会9連覇中の神戸コスモス
播磨ヤンガースとの1回戦は、指名打者の小川真人選手を中心に長打を連発する強力打線が光った。3人による継投で播磨ヤンガースの打者を寄せ付けず、7-0の完封勝利。

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龍野アルカディアとの決勝戦、初回から神戸コスモスの打線が爆発した。
1回表を無失点で抑えた堤佑真選手が2塁打を打ち、自ら打撃に貢献。1回戦、兵庫のじぎく戦で完投した龍野アルカディアの藤原智文選手に疲れが見え始めた中、鈴木選手が走者一掃のランニングホームランを放ち、1回終了時点で8-0。
3回にも4点を加え、12-0で神戸コスモスが圧勝。王者の貫禄を見せつけた。

優勝チームの神戸コスモスは、全日本10連覇という偉業でその地位を揺るぎないものにするのか。11月5日に開幕する全日本身体障害者野球選手権大会でも注目していきたい。

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○大会結果
優勝 神戸コスモス
準優勝 龍野アルカディア

日本身体障害者野球連盟

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「祝!初ファンダイビング!」

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2016年8月27日 伊東市のダイビングスポットに記者はいた。

ダイビングに馴染みの無い読者もいると思うのでファンダイビングについて少し触れておきたいと思う。

一般的にダイビングには“体験ダイビング”と“ファンダイビング”がある。
“体験ダイビング”は浅めの水深でダイビングを楽しみことができる。文字通り体験型のダイビング。
一方“ファンダイビング”は自分でダイビングポイントへ行き楽しむことが出来るが、高いダイビングスキルと知識が必要とされ、ライセンス取得が必要。

要するに、“ファンダイビング”はライセンスを取得し自由にダイビングを楽しむことが出来るのだ。

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今回取材した、ダイバーはこの日が初めてのファンダイビング。
(アスリートと言ってもプロという訳ではないのだが、真摯にスポーツに向き合っていることからアスリートと称させていただく)

彼女の名前は髙橋枝里子さん25歳。

髙橋さんは5年前の事故により下肢に障がいが残り、普段は車いすで生活をしている。

ダイビングを始めたきっかけ、魅力について髙橋さんは笑顔で話しをしてくれた。
「ダイビングをやっている友人から誘われたのがダイビングとの出会い。色々な方との出会いを通じてダイビングを始められる事が出来た。」
「あとは、海から上がったあとのタバコの一服のおいしさが忘れられなくて・・・(笑)。」

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この日はボートで沖に出るのではなくスロープに加工されているビーチからの入水だ。
スロープギリギリまで車いすで移動して、そこからインストラクターに抱きかかえられて入水。ダイバーとインストラクターがお互いに信頼関係を結んでいないと決して出来ないだろう。

海から上がった髙橋さんの表情は、とても達成感があるように見えた。

今後の活動についてお話しを伺った。
「休みの調整が出来たら次のダイブ!」「そのために仕事をがんばらなくちゃ!」
そう答えた髙橋さんの表情からは働くことの喜び、そして全力で遊ぶことの楽しさを全身で受け止めているように見えた。

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ダイビングの次の目標として、スカイダイビングに挑戦してみたいとのこと。これも簡単ではない目標だと思われるが、髙橋さんを見ていると年内にもその目標を達成してしまいそうだ。

今後も髙橋さんをはじめとする障がい者ダイバーの挑戦から目が離せない。

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「イルカと泳ぐ!」わんぱく・AQUAキャンプ

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2016年8月21日、記者は静岡県伊東市の港を訪れた。
そこでは障がいをもった子供たちがイルカと泳ぐという取り組みがNPO法人体験活動研究会主催で行われていた。すでに第18回目を迎えるようだ。

当日は大型台風が接近しており、晴れていたものの海はやや荒れているというコンディション。
普段のイルカたちを知らない記者はその変化がよくわからなかったのだが、ドルフィンインストラクターの方曰く台風の影響で落ち着きがないとのこと。
そんな状況の中、3日間に渡り、当プログラムは開催された。

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まずは「ふれあい」と題し、障がいをもった子供たちが生け簀の中のイルカに触れる。
落ち着きがないイルカたちも、なんとなく優しい顔で触れさせているように見えた。

後に浮力のあるウェットスーツを着用し、イルカと一緒に泳ぐ。当然1人の子供に1人指導員がついている。
とても驚いたのは、普段陸上では車いすを利用し、自分で歩くことなどは難しいであろう子供たちがイキイキとし、イルカのそばで笑顔を浮かべている。

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そして指導員に導かれイルカの背中に乗った。
イルカもゆっくり泳いでくれているようだ。
なんとなく不思議な時間が流れる。
普段は早いスピードで泳ぐイルカだが、子供を乗せているときは、状況がわかっているかのようにゆっくりと優しく泳ぐのだ。

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実際、今回水中指導員として参加している金山氏に話を聞いたところ、指導員もとても不思議に感じているとのこと。イルカが優しく接しているというのだ。
なにか伝わるものがあるのかもしれない。

このような体験は非常に貴重だと思う。
是非、より多くの子供たちに体験してもらえたらと思う。

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